働き詰めのシニアの楽しみは旅行ではないか?

私の兄がドラッグストアのお店を閉めた。30年以上もお店を経営してきた。休みもあまり取れずに。68歳で引退を決めた。兄の楽しみは、高校時代の同級生やドラッグストアの引退した経営者たち、そして、幼友達らと旅行に出かける事だ。

美味しい郷土料理、温泉、観光地巡りを気心が知れた仲間たちと一緒に歩き回る。60歳代後半のシニア男性ばかりのグループで引退後の生活について色々と話をしたことだろう。

兄の人生は、長男という立場で実家のビジネスを継ぐことになった。30歳になる前に会社を退職し、実家のビジネスに入った。それから68歳になるまで店舗経営をずっとやってきた。店舗経営では、長期の休みを取ることが難しい。田舎のお店は、365日開いていなければ困る人たちがいる。

そんな意味合いで、兄の引退は今までやれなかった事をやるためにあるのだと思う。30数年間、やりたくて出来なかったことが沢山あると思う。今、兄は一番やりたかった「友達との旅行」を楽しんでいる

旅行を楽しむ年齢(体が言う事を聞く間)

兄は私と違って地元に友達や仕事仲間(ドラッグストアの元経営者)が多い。私は、地元を離れた生活をしていたので付き合いが長い友達を作ることが出来なかった。大学時代は米国に留学し、一人で冒険をしていた。幼い頃から一人で遊ぶことが多かったため、一匹狼的な性格が行動に出ている。

仲間と一緒にいないと落ち着かないという問題はない。むしろ、一人で何かをやっていたほうが気楽だ。親のビジネスを実家で引き継いだ兄にとって地縁は強い。都会の生活と違って田舎の生活は、自宅に鍵をかけないで生活をするため、オープンだ。気楽に声をかけてくる。

人が出たり、入ったりすることが非常に少ない。新人はすぐに地元のネットワークで情報が共有される。口コミや井戸端会議でだ。都会と違って入ってくる情報が少ない。ちょっとした出来事がすぐに話題に登る。そんな地域社会で実家のビジネスを守り続けた兄である。とても、私は同じことが出来ないだろう。

引退後に小旅行を幾つかの友達グループと計画し、今それを実行している。昨日は、伊豆の稲取温泉に友達と旅行している。金目鯛の地場料理を楽しみながら、稲取の温泉に浸かり、稲取のローカルを歩き回っている。一人旅と違って友人と一緒の旅は何をやるにしても楽しい。

お店の経営をやめて累積したストレスを旅行で発散している最中なのだろう。その気持は私でも分かる。68歳の今だからまだ健康な友人たちと一緒に旅行が楽しめるのだと兄は言っていた。70歳を過ぎれば、健康を害して旅行に行きたくても行けない仲間が出てくる。

旅行は健康で体力があるときでしか楽しめない。