朝の9時半頃、SOGOデパートビル経由で横浜ベイクォーターにあるスタバに行く途中で6人ぐらいのシニア清掃員たちに出くわした。全員、70歳を越えているシニア男性のように見えた。清掃作業場に向かっているようだ。薄い赤のストライプのシャツを着て一般の清掃業務を行っている人たちとは違っていた。明るく新鮮な印象を服装から受けた。明るいユニフォームだ。
もう、清掃作業はシニア人材による市場になってしまったのだろうか。
若者が興味を示さない体裁の悪い職業:清掃の仕事
清掃の仕事は、どの国でも見下した職業のようだ。誰にでも出来る仕事と思われているからだろう。華やかな仕事にありつけられなかった学歴がない若者でさえも敬遠する職業のようだ。社会的に見下されたくないという気持ちが若者たちの心の中にある。求人をしても若い労働力は集めにくい。
直ぐに集まる労働力は、失業している中高年労働者層のようだ。特にシニア層は労働力が余っている。新聞の求人欄を見てみると「50歳から70歳代のシニアが活躍しています!」という清掃業務の求人広告が目立つ。ビルやオフィスの清掃業務で求人が目立っている。
私は仕事でスタバを活用している。スタバは、ノマドワーカーにとって都合の良い仕事環境を与えているからだ。Wi-Fi、電源、Cafe、トイレだ。トイレを清掃するシニア女性にいつも出くわす。感謝の念でトイレを使わせていただいている。トイレがいつも綺麗だからだ。
ビジネスとして清掃業を見てみるとビルやオフィスの清掃は安定しているという。価格競争はあるが、一度、法人企業と契約すると年間契約になるので安定した売り上げが期待できる。付加価値が高い仕事であれば、良いのだがお客さんがどこで清掃の付加価値を見出してくれるかだ。
綺麗にする作業にも品質がある。パッと見て一見きれいでも細かく見てみると汚れが取れていないとか、隠れた場所にゴミが残っているとか、色々と出てくる。
清掃ビジネスはサービスビジネスである。サービスビジネスは、働いている人材の質で印象が変わる。誇りをもって清掃のプロとして仕事をしている人とただの清掃員では仕事の質に相当の違いがある。時間内に清掃が完了していないとか、清掃が雑であったりとか、悪い点が一つでもあるとサービスビジネスとして評価が悪くなる。
ハーバード大学で有名な新幹線車両の「7分間の奇跡」という清掃がある。英語で紹介されているYouTube動画がある。動画に登場する清掃チームは「JR東日本テクノハートTESSEI」の方々で平均年齢が52歳だそうだ。
清掃業は、お客さんの「おもてなし」の仕事と考えると見方が変わってくる。 どんな仕事も気持ちが入ると立派な仕事になる。清掃業の仕事はイメージが悪いと思っている若者は、この動画を見てどう思うだろうか。平均年齢52歳の中高年が活躍している。若者のチームならば、もっと、もっと、素晴らしい仕事を成し遂げるかもしれない。
清掃のプロであるという誇りが生まれれば、見下された視線に堂々と立ち向かえる。