若者に電車やバスの中で席を譲られたシニアの思い

丸の内の地下鉄駅で電車に乗り込んで空いている席に座ろうとしたら、若者が先に座ってしまった。その席の横には私の妻が先に座っていた。その状況を察してか、若者は慌てて私に席を譲ってくれた。私は、別に気にしないで良いから座っていて下さいと言ったのだが、その若者は席を立ってしまった。

私は、若者の気持ちを害してはいけないと思い喜んでそのオファーを受け入れた。若者に席を譲られるのは頻繁ではないが、あることはある。殆どの場合、私はその若者に感謝して席に座らせて頂く。それにはそれなりの根拠が私にある。

若者の善意を無にしない!

私はシニアの年齢になって夫婦で海外旅行に出かけている。米国、フランスなどが最近訪問した国である。すべて自分で旅行プランを立てて交通もアレンジしている。米国は、ワシントンDC。フランスは、ニース。ワシントンDCでは、地下鉄がある。ニースには、路面電車がある。

海外旅行中に若者から席を譲られた経験がない!日本ではあるのだが、海外ではないのだ。これは何か違いがあるのだろうか。基本的にどの国でも倫理観がある国民であれば、年寄りに対して親切な行為をする。弱者を助けるのは人間として当たり前の行為であるからだ。

若者が高齢者に席を譲るのは当たり前ではない

若者が電車の中で席を高齢者に譲る行為を皆がやっていない。優しい心を持った勇気ある若者だけがやっている。席を譲りたいが勇気がないために行動に移せないという若者や社会人がたくさんいる。そんな中で勇気を出して高齢者に席を譲る行為は賞賛に値する。

ただ、残念なことに高齢者の中には、その行為の心理的な面を理解できていないために断る老人がいる。私は勇気を出して自分の席を譲ってくれた若者や社会人に感謝したい。彼らをガッカリさせたくないために喜んで席を譲り受けている。別に体力的に弱いのではない。私は電車にのる時はいつも「つま先立ち運動」をしているくらいだからだ。週2回ジムで筋力トレーニングもしている。

電車やバスの中にある優先席に座ってスマホを見ている若者がいる。老人が近くにいるのにそれに気が付かない。気がついていても席を譲る気配もない。そんな若者が多いのが現実である。性別を問わずそうである。

自分は若いと思っている老人がいる

一部の老人は意識的に自分は若いと信じ込んでいる人がいる。若者に席を譲られた時点でその老人は自分の面子を潰されたと思う。それで頑なに譲られた席に座らないでいる。精神的に若いと思っていても風貌は変えられない。

優しい心を持った若者の好意を無にしない思慮が老人の心にあることを切に望んでいるが、世の中は上手く行かない。席に座っている若者に席を譲れと言い放つ老人もいる。優先席だから老人に席を譲れと強制する老人である。なんとも恥ずかしい。何らかの事情がない限り、優先席だから自分に座る権利があると思っている老人は頂けない!

最近はスポーツジムに通うシニアが増えてきた。健康寿命も伸びている。シニアは元気になってきている。そんな影響もあるのかもしれない。一方でヨロヨロした歩き方をしている老人も多い。80歳以上の高齢者は体を鍛える前に体力を落として筋力を回復できない状態になっている。そんな高齢者は電車やバスで座る場所を求めている。

気持は若いが肉体はそれを反映していない80歳代の高齢者はいる。それがわからないために勇気を持って若者が席を譲ってくれたときに行き違いが起きる。

70歳の私も進んで老人に席を譲る

電車の中にある優先席に座る時がある。その時は他にも空いた席がたくさんある電車の場合である。誰もが座れるので優先席であろうとなかろうと気を使うことはなくなる。電車が混んでいる中で空いた席に座るとき、先に座ってから周りの人を見ることにしている。もし、私よりも年上の高齢者と見受けられる人がいたら、声をかけて席を譲ることにしている。

年齢が80歳以上になれば、多くのシニアの体は確実に弱ってくる。杖を持って歩いている老人がいれば、席を譲る候補者になる。小さな親切は気分を良くする。赤ちゃんを抱えた母親連れがいれば、その方々も席を譲る候補者になる。

自分が健康で体力があるのであれば、体力を落ちた高齢者に小さな親切をするのは社会貢献になる。献血で社会貢献をしてきたが、70歳の年齢制限でそれもできなくなった。何ができるかを考えたとき、小さな親切活動が元気なシニア向きであると感じた。

結論

70歳になると高齢者になったという意識が強くなる。風貌もそれなりの姿であるので電車やバスの中で席を譲られる時がある。大学生や若い会社員などが多い。高校生や中高年の方に席を譲られた経験はなぜかない。若い人が進んで高齢者に席を譲るのは勇気がいる。意識が強くないと行動に移せないからだ。そんな思いを理解して席を譲られたらありがたく受け入れるのが良いと思う。