65歳というのは、分かれ道だ。65歳になって年金だけで生活が出来るシニアとそうでないシニア。でも、年金だけで生活が出来る65歳シニアでも落とし穴がある。働かなくて良いというのは健康寿命を短くする。今まで日中働くことで生活のリズムが自然と作られていた。働かなくなると暇な時間が突然増える。
暇な時間をうまく処理できなければ、色々と悪いことが発生する。65歳になる前までにどのような生活をしたいかをプランすることが重要。
65歳以降は「暇」との闘い！
企業で働くことが生きがいとか、趣味であるとかいうシニアほど65歳以降の生活をどのようにするかで悩む。孫がいれば、孫の面倒を見るというが、だんだんと世の中の流れに疎くなり世捨て人の心境になる。人付き合いも少なくなり、外出するのも面倒になる。
このパターンが刺激がない老後の生活である。自分で自主的に活動する日課が沢山ないと健康寿命を維持するための十分な刺激が足りなくなる。認知症は脳への刺激が減少して起きるといわれる。
65歳以降に暇が原因で老化現象がいっそう強く出る
肉体的な衰えと精神的な衰えが一緒にやって来る。暇ほど苦痛はない。何のために自分は生きているのかの自分探しが始まる。若者が就職できずに親のすねをかじりながら何もしないで自宅にぐずぐずしていると同じである。
会社の中で仕事がなく、毎日が暇な時を経験した人がいるかもしれない。その時の暇と類似性がある。経済的には不安がないという類似性である。年金がフルで受け取れる年齢が65歳。年金は先にもらったほうが良い。後でもらうと死んでいるかもしれない。年金で金銭的には心配しないシニアは、これからの人生をどう生きるかが明確でないと暇がすべてを台無しにする。
今65歳のシニアは肉体に老化現象がより一層出始める。体を動かす機会が少なくなると体全体の筋力が失われていく。特に深刻なのは脚力である。今から脚力を鍛えないと75歳を過ぎる頃にフレイル状態になる。足の衰えは生きていく上で最もリスクが高い。自分で身の回りの世話ができなくなる。暇な生活は体力、筋力低下を助長させる。
家で何もやることがないと楽な生活習慣を作り出す。朝起きたらテレビを付けてソファーに座り、1日が始まる。自宅で座っている時間、ごろ寝をしている時間が増えると足の筋力低下が進む。その意味で医者がシニアは毎日何処かへ外出しなさいとsE言う。足を動かす生活習慣が足りなくなるからである。何もやることがない暇な生活は体の老化現象を知らないうちに進ませる。
成功した若い起業家（Early Retirement)も暇で悩む
若い起業家が成功してアーリーリタイヤをした。 1年ぐらい、好きなサーフィンをハワイにロングステーして楽しんだ。その起業家が引退した生活が精神的に苦しくなってまた起業したという。この話は65歳になって暇しているシニアと同じである。
何かに没頭する物が生活のコアになければ、暇が私たちを殺す。年金をもらって楽した生活をしたいと思っているうちが一番幸せ。65歳以降の生活は最初の1年以外は精神的に苦痛を伴う日々になる。それから逃れるには、自分が出来る仕事や社会貢献活動に参加するしかない。
年金に頼れない65歳のシニアは働くことで自分を生かせ続ける。そこには生きられるか、生きられないかの生存競争がある。必死になってもがく。人間は楽な生活に慣れるとダメになる。必死になって何かをしている姿に生命エネルギーが生まれる。働かざるを得ないシニアは不幸なのか、幸せなのか。経済的に余裕があるシニアは働かなくても生きていけるが暇で苦しむ。
人生はお金があれば幸せだとは一概に言えない理由である。老いれば老いるほどその意味が強く分かってくる。
暇を忘れるには自分の好きな事に暇な時間を使うしかない
一番簡単な方法は働くことである。自分の都合の良い時間帯に働けるアルバイトやパート、最近ではスポットをーく等がある。人不足で街中のお店ではスタッフ募集の張り紙が増えている。若い人はなかなか見つからないので元気で健康なシニアを労働者として受け入れてくれる。
好きな事を仕事にすれば、一番満足を得やすい。自分に趣味があれば、趣味を仕事にする試みをしてみることである。趣味がなければ、自分を楽しませることを趣味にすれば良い。私はこんな事で自分を楽しませている。
- 筋トレで肉体改造をして鏡に写った自分の体を眺める。定期的に筋トレをしないと肉体は変化していかない。こんな体になりたいという欲望を筋トレで満たそうとする。肉体の変化を見るのが楽しい。
- 美味しいカレーライスを食べ歩く。月2回から3回、東京にある実家に滞在して美味しいと言われているお店でランチカレーを食べに行っている。自分の欲求を満たすイベントを自分で作ることで暇な時間を少なくしている。
- 後ろ姿が魅力的な若い女性を眺める。タイトなジーンズやスカートを履いた若い女性の後ろ姿は目を楽しませる。若い女性の顔をジロジロと見れないが、後ろ姿を眺めるのは出来る。ヒップの形が色々あるのが分かる。パンティーラインが見えるお尻、見えないお尻、センスが良いレギンス、体全体のスタイルが魅力的な女性など色々な若い女性を見て楽しむ。
自分を楽しませることであれば、何でも良い。それを追求していくと趣味になる。趣味に没頭すると暇な時間が徐々に少なくなっていく。
結論
65歳まで働ける会社が増えてきた。70歳まで継続して働ける会社も生まれてきている。多くの会社はまだ65歳まで。65歳になって会社を卒業したシニアは年金をもらいながら次の職場を探す。見つかれば幸運なのだが、70歳になった時にまた65歳のときと同じ無職になる。働く必要がなくなると暇で悩み始める。暇は老後生活の分岐点である。暇をうまく使えるシニアは余生を楽しめる。
多くのシニアは暇に殺される。暇な生活が習慣化すると健康寿命が短くなる。暇は老化を早める。老後の体は使わないと動かなくなる。筋肉は年1%づつ体から減っていく。最終的にフレイルという状態になり介護の世話になる。こうなったら、終わりである。
65歳以降の生活は65歳になる前までに新しい生活習慣をプランして準備しておく必要がある。これが出来ないとつまらない老後が待っている。どうにかなるさと思っているシニアは後の祭りになる。世の中はそんなに簡単ではない。