老人による問題が多くなってきている。電車の中や店舗で突然老人が切れる騒ぎがニュースになるほどだ。20年前に老人が切れるということでテレビニュースになった記憶はない。なぜ、今、こんな話題がテレビニュースとして取り上げられるのだろうか。
コロナ禍で電車はバスの中でマスクをしていないと老人の一部が過剰反応をしてマスクをしていない人を非難する言葉をかける。これも冷静になれない老人の特徴なのだろうか。
それとも単純に昔よりも今のほうが元気な老人が増えてきているからか?
すぐキレる老人はそれなりの理由を持って切れている
世代間にまたがる価値観の相違、倫理観、教育などから時代の常識から取り残されてきているのかもしれない。現代社会に適応できていない老人が増えてきているという事実が影に隠れているのかもしれない。
私が65歳の初老の時である。20歳代、30歳代の若者たちから、あそこに老人が立っていると耳に聞こえてきた経験がある。この老人という単語を聞いた時にまさか自分を指しているとは思わなかった。周りを見ても私しかいない夜10時の駅プラットホームでの出来事であった。
私を知らない人が見たら、確かに、初老の老人に見える。頭の毛が白とグレーの毛で薄くなってきている。私に言わせれば、”ロマンスグレー”なのだが。
私にとって「老人」という言葉に驚きと憤りを感じた。自分自身が老人と思っていないからだ。まだ、中高年に分類されているという認識である。若者たちは、私の心を読めないから外見だけで言葉を選んでしまう。
ちょっとした事で切れる老人は気分を害す。
初老の老人として歳を取ると何が体や精神に起きてくるかを説明したい
老人になると自分の体が思うように動かせなくなる。体が固くなる。すぐに疲れやすくなる。思いがけない病気に見舞われる。収入が年金だけになり老後の生活で強い不安を感じているなどなど。精神的に不安定な状態に成っている。
その上、忍耐力がかなり衰える。
不自由な体と精神的なストレスが重なるとちょっとした事で切れやすくなるのだ。
- 電車の中に大きなベビーカーを乗り込ませる若い母親を見ただけで「非常識だ!」と勝手に心のなかで怒り出す。
- 大声を出している子供を静かにさせない若い母親を見て「教育がなっとらん!」と睨みつける。
- マナーが悪い女子高校生を見て「何処の学校の生徒だ?」と言い始める。
- 駅の階段を降りるとき若い女性がスマホを見ながら降りていく。周りの人の流れについて行っていないため後ろにいるシニアが苛立つ。
誰もストレスの限界近くになるとちょっとした事で発狂し始める。 若者よりも老人の忍耐力のほうが弱いので突然暴言を吐いたり異常な行動をとり始める傾向が高い。
直ぐに切れる老人は普通の老人
精神的、肉体的な病気になっていない健康な老人である。元気な老人だからすぐに切れるだけのエネルギーがある。老人は、歳を取るに連れて自分の世界に閉じこもりやすい。自分の常識が社会の常識であると思い続ける。
スターバックスでインターネットの仕事をしている時、複数人の若い奥さんたちが幼児を連れてやってきた。子どもたちは、何やら大声で叫んだり、椅子やテーブルの周りを走り回ったり、色々な雑音を出し始めた。若い奥さんたちは、おしゃべりで夢中!子どもたちに目が行っていない。
まわりのお客さんたちも、「参った!」という顔をしている。私は、こんな時じっと我慢している。
スターバックスに子供を連れて来てお喋りをするのはやめてもらいたい!と大声で言いたかった。これをじっと我慢した。子供の声は、サイレンのように響き渡る。子供の声は響きやすい。それが耐え難いのだ。特に、老人たちには結構なストレスになる。難聴の老人は別だが。
静かな場所で勝手に切れている老人は完全な病気だ。精神的に壊れている老人である。今問題に成っている「すぐキレる老人」は、精神的にまだ壊れていない。
すぐに切れている老人を見かけたら、感情に感情で対抗しないで、「なぜ、切れてたんだろうか?」とまず考えてもらいたい。その理由がわかったら、その老人にその理由を話して確認して下さい。その原因に正当性が有れば、それを認めて理解してあげる。正当性がなければ、なぜ正当性がないかを諭してあげる。
カフェで切れる老人への助言
69歳になるシニア男性である私は仕事をカフェで行っている。朝のカフェは静かで仕事に集中できるのだが、ランチ時間帯や午後の時間帯は雑音が周りから聞こえてくる。カフェだからお喋りをするお客が多い。そのおしゃべりの音量が大きいときに私は困る。
音によるストレスはワイヤレスイヤホンで好きなバックグランド音楽を聞きながら仕事をすることである。ノイズキャンセリング機能があるワイヤレスイヤホンであればカフェの雑音問題をすぐに解決してくれる。
カフェで大声を出して注文方法を聞いている老人を時々見かける。喫茶店と違って注文カウンターで飲みたいドリンクを注文するスタイルが当たり前になってきている。ルノアールとスターバックスを比較するとその違いが分かる。
ルノアールはウエイトレスがお水を持って注文を聞いてくる。注文したドリンクはウエイトレスが席まで持ってくる。スターバックスではセルフサービスになる。注文カウンターで飲みたいドリンクを注文し、受け渡しカウンターでドリンクを受け取る。その前にテイクアウトか、店内利用かを聞いてくる。
この違いを理解していないシニアであると問題が起きやすい。スターバックスを昔の喫茶店と同じを思い、席でウエイトレスが来るのを待っているのだがやって来ない。ここで待ちくたびれて切れる。やっと注文ができても水がサービスされない。セルフサービスであるので自分で紙カップに水を入れる仕組みを知らない。シニアは水がないと大声を出す。
時代の流れと情報についていけていないシニアは新しいライフスタイルを知らないため困惑して大声を出し始める。まるで子どもである。老いては子に戻る。老人は新しい事にぶつかりながら学んでいくしかない。
結論
直ぐに切れている老人は、普通の老人である。話して理解できる知能の持ち主であるので感情的にあった切れた老人をまず落ち着かせることである。頭の中で感情が暴れているために冷静な判断が出来ないでいるだけである。