60歳を過ぎた頃から今まで経験がない体調不調を味わうことが多くなる。ちょっとした不安で気が弱くなったり、そのことに囚われ過ぎたりする。精神的な安定が崩れ始めるのを感じる。加齢による体調不調は何が原因で起こるか分かりづらい。肉体的な老化なのか、心の不安から来る症状なのか、素人では判断が出来ない。
私の体調不調は、肉体的な老化から来ていると思っている。原因はわからないが何もしないで様子を見ていると2,3ヶ月後には自然治癒してしまうからだ。問題は、体調不調が続く場合だ。医療クリニックで診断を受けても原因がわからない場合が多い。肉体的老化でないならば、心の病気を調べる必要がある。
60歳での定年退職、65歳での再雇用終了などでシニア男性の精神状態は安定していない。人生の大きな変化がこの年齢に襲ってくる。
60歳を過ぎると老化と環境変化による体調不調が発症しやすい!
今まで慣れ親しんできた仕事環境から全く違った生活環境に変わると新しい環境に違和感を覚える。仕事中心で生活をしてきた会社員ほど仕事を失った損失感は強い。同時に新しい人生を積極的に作っていこうとする意欲がないと新しい生活環境に上手く適応できなくなる。いつもと違った生活のリズムが生まれて、精神的に無気力になり、自発的に何かをやろうという気力が失われて行く。
会社が与える仕事を真面目に従って働いて来た会社員ほど自発的に新しい自分の生活リズムを作れない。何をやったら良いか頭が真っ白になるからだ。定年退職後の60歳のシニアは、まだ、再雇用という逃げ道がある。65歳で再雇用が終わると自分で次のステップを見つけないと何も始まらなくなる。
65歳を過ぎて仕事を失ったシニア男性がうつ病になりやすい。
高齢者特有のうつ病とは
老年期うつ病とは、老年期(65歳以上)の方がかかるうつ病のことで、”気分がめいる”、”物事に対する興味や喜びがない”、”食欲がない”、”よく眠れない”、”いつも体がだるい”、”集中できない”などといった症状が2週間以上にわたってほとんど毎日続く状態です。(引用先:杉浦こころのクリニック)
シニア男性は、自分の問題を内に閉じ込めやすい。気楽に相談する友人や知人、そして、家族もいない。男として弱みを誰かに見せたくない心理が働くからだ。私自身もビジネス上のトラブルを妻に話すことはない。話しても技術的な問題やら、ビジネス特有の問題やらで妻の理解を超えるからだ。結局、自分の中で解決策を見つけることになる。
私は幸運にもうつ病になったことがない。”気分がめいる”、”物事に対する興味や喜びがない”、”食欲がない”、”よく眠れない”、”いつも体がだるい”、”集中できない”などといった症状が2週間以上続いたことがないからだ。
60歳を過ぎて物事に対する興味や喜びの感度が低くなってきているのは感じている。日常生活で感動することが非常に少なくなっている。本来ならば、自由になった時間を心の赴くままに使う欲求が一つや二つあっても良いのだが、老人性うつ病を疑われるシニア男性はそれが見いだせていないらしい。
心の病は、肉体の病と違って白黒をつけて治療が出来ない場合が多い。
老人性うつ病であるかどうかの判断は専門医に任せる(早期発見、早期治療が大切!)
もし、あなたの夫が65歳で仕事を失っているならば、”気分がめいる”、”物事に対する興味や喜びがない”、”食欲がない”、”よく眠れない”、”いつも体がだるい”、”集中できない”などといった症状が2週間以上続いていないかどうか確認すべきだ。
少しでも普通の状態でないという印象が夫にあるならば、精神科医に相談してみる。症状がひどくなる前に早期発見、早期治療をすべきと私は思う。
軽い症状ならば、自分の得意分野の仕事で回復する可能性が高い。原因が仕事の損失ならば、興味を抱く仕事を見つけてあげることではないか。
この記事「シニアの原因不明の体調不調は高齢者特有のうつ病ではと疑ってみては!」のポイントは、
- 60歳、65歳を過ぎたシニア男性に起きる原因不明の体調不調は、大きな環境の変化と老化で肉体的不調と精神的不調が発症する場合がある。特に65歳を過ぎたシニア男性は、老人性うつ病が発症しやすくなる。”気分がめいる”、”物事に対する興味や喜びがない”、”食欲がない”、”よく眠れない”、”いつも体がだるい”、”集中できない”などといった症状が2週間以上続いているかどうかを確認する。