人生は不平等の上に平等がある

私達人間の世界は、誰もが平等に生活ができる社会を追い求めている。生まれた時代や国によって人生に明るさがあったり、苦しさがあったりする。提供された時代と環境に適応した生き方をせざるを得ない。ダーウィンの「適者生存」の世界がある。理想は、平等であるがそれは実現していない。

究極な環境では、強いものが生き残る。2016年の日本は、幸運にも明治、大正、そして、戦争中、戦争後の昭和の時代よりも生きる上での余裕が社会にある。生きる上で余裕がある社会では不平等の上に平等が育つ。 

富裕層と貧困層のギャップが激しくなっていることは確かだ!

終身雇用制度の上で定年退職したシニアは、普通の生活をしている限り経済的に困るという状況にはならない。個人のライフスタイルによっては、年金だけでは生活が出来ないという人もいるだろう。

だが、

今の20歳代から40歳代の人たちは、不安定な雇用制度の中で老後を迎えることになる。生まれた時代によって不平等が生まれている。平等のようで不平等な世界が見え隠れしている。これは、多分、どの時代においても多かれ少なかれ起きていることなのかもしれない。

人間は進化する。社会制度も成熟化する。高度成長期時代では、飢えで亡くなる人はいなかっただろう。日本の社会が成熟して余裕ができたからだ。

北朝鮮、中国、韓国を見ても権力が不平等を生み出している。権力とお金があるものが下々を支配している。そこには、平等がない。権力者が平等を許していないからだ。経済的なギャップが激しくなるとお金という切り口で不平等が広まる。高等教育を受ける時にお金がないと受けられなくなる。 

ただ、 

不安定で変化が激しい時代には、昔ながらの学歴優先よりも生活力優先になる。頭でビジネスをするのではなく、新しいビジネスチャンスを作り出す行動力でビジネスをするのである。 

変化が大きい時は、今までの既存の仕組みが崩れて常識が非常識になる。私達シニアが描いている価値観が通じない社会がこれから生まれてくるかもしれない。 

戦争が起これば、非日常の世界が生まれる。生きるか、死ぬかの時代になる。適者生存で自分を守っていくしか無い。時代の流れに付いていけない人たちは、不平等の下で生活をすることになる。生活力がある人は、不平等の上で平等を受ける。それが富裕層の世界だ。

北朝鮮は、独裁政治の権力者の上で富裕層が贅沢な生活をしている。不平等の上に平等が生まれているのだ。自分が置かれた環境で住む世界が変わる。 

米国も日本も中流階級の家庭が激減していっている。富裕層にシフトして行っていれば良いのだが、逆で貧困層に向かっている。社会は不安定になっていく道を歩み始めている。

社会が不安定になり、生活に余裕が無くなり始めると不平等な社会がはっきりと見え始める。社会に余裕があると不平等の仕組みが隠される。文句をいう人も少ない。不平等感が強くなると誰もが不平等を意識し始める。日本で貧困層が広まりすぎると社会は独裁者の顔を見ることになる。 

韓国は、財閥が国を牛耳っている。財閥が経済的に弱体化すると国も弱体化するほど財閥に牛耳られている。戦前の日本もそうではなかったか。財閥解体で特定財閥が富を牛耳ることを禁じた。 

日本は米国の影響が強すぎる。日本の経済や政治を米国が操作しているような印象を持つことがある。古き良き日本の雇用制度をダメしたのは、米国に魂を売った日本人たちだ。

そろそろ、私達日本人は米国に依存しない生活環境を構築する準備をすべきだろう。中国、ロシア、米国の大国の脅威は、開国初期の頃と似ている。時代は別の顔をして繰り返されているのではないか。 

私は、自分の子供達に長いものには巻かれろの人生に追従してもらいたくない。自分で生きていける生活力を身につける働き方を目指してもらいたい。