親は黙って子供の成長を見守るしかない

boat

子供が大人になり自分でお金を稼ぐ社会人になる。私たちの世代、60歳代以上のシニアは子供に安定した定職についてもらいたいと願っている。会社を途中で辞めると言われると焦ってしまう。どの家庭でも子供が独立して人生を歩み始めると起きる良く聞く話だ。

子供たちはどの時代でも自分の人生を模索している。親が出来ることは限られている。子供が独立する時の門出は支援とサポートをするが、その後の人生は万が一の事態を除いて黙って見守るしかない。

母船から小舟で大海に出ようとする!親たちは心配で仕方が無い!

私が社会人になった時代は高度成長期で雇用状態は良かった。働き口は捜せばあり、正社員で雇用された。先輩たちの出世や待遇を見れば自分の将来設計も予想できた。

今の時代は若者たちにとって苦難の時代である。正社員になれる、なれないだけで年収の額や待遇も最初から違ってしまう。さらに、将来ずっとその会社で働けるという保証が無い。年功序列の仕組みが壊れて終身雇用制度もなくなった。自分の人生を自分で開拓する時代に入った。

入社した会社を3年もしないで辞める

時代の違いを私たち親は肌で感じている。子供が会社を辞めて何かを始めようとすると不安が先に立つ。親としては当たり前の反応である。時代は大きな変化のまっただ中にある。70歳代の年金リッチの世代とは違って年金だけで生活が成り立たない60歳代のシニアも時代の大きな変化に慌てている。

働き続けないと生活が出来ないという現実に直面しているシニア。それは子供たちの将来の姿かもしれない。不安定な社会構造が大きな変化によって引き起こされている。

昔から言われることは、「親は子供をじっと見守る」だけ。大人になった子供は自分で自分の人生を開拓していかないとこれからは生きていけない。私たち自身も親から離れて自分の人生を切り開いてきた。その時、世間は最低3年間は会社で働き、社会勉強をしろ!と教えてくれた。今の若者は感情ですぐに辞めてしまう。会社を辞めてからその後のことを考える若い者が多い。

見守る以外に親は子供を支援できるのか?

親は時間と共に弱くなっていく。お金の面も体力の面でも直接支援できる時間は少なくなる。最後は自分の子供たちが自分の人生を切り開いて行くのを見守るだけになる。お金を子供に残せても自分でお金を稼げなければお金は消えていく。

昔のような終身雇用の見取り図(会社の中で出世する)は崩れている。若者たちは社会構造の変化を敏感に感じ、寄らば大樹の陰的な人生に依存しない選択を見始めた。20代から30歳代の若者たちの年金は現時点で当てにならないと言う情報が知れ渡っている。

自己防衛が若者たちのマインドに生まれるのは当たり前。多くの若者は変化の激しい社会構造の中で私たちとは違った挑戦を若いうちにしようとしている。起業への挑戦である。自分で生活費を稼げるようになりたいという自己防衛と自己実現になる

折角入社した会社を辞めると言うことに親たちは、最初からネガティブになっている。子供の話を聞いてからその判断をすべきだろう。多くのケースは両親に子供が相談する前に会社を辞めてしまう。そうでないケースであれば、子供の話を良く聞いて子供にとって最善である道を一緒に模索する事ができる。 最終的に親は子供の相談相手になるしかない。精神的なサポートを与えながら、未開拓な人生に挑戦させる。

安易なサラリーマン生活に将来性があるのか?

色々と下準備をして若いうちに起業経験をしたいという若者たちがいる。会社は若い社員の牙(自分の人生を自分で開拓する意欲:独立)を削って行く。組織の歯車として育て上げる。そこには、その若者の独立を止めさせる安心、安全、餌を用意する。若者をずるずるずると安易なサラリーマン生活に導いていく

安定した給与と会社生活に慣れ始めると自分の人生を敢えてリスクを取って開拓する気持ちを弱める。目的を持って会社で働くならば、良いが多くの若者はお金と安全な会社員生活に甘んじる。だが、会社は昔ほど社員を大切にしない。会社都合で合法的にリストラを行う。今の中高年がそうである。そんな現実を見ている若者たちは会社に依存しない生活を考える。

今の時代は自分たちの子供たちにこんな選択を求めている。

1.自分の人生を切り開く起業の道

2.会社組織に委ねた道

この選択肢は、私たちが若者であったときにもあった。でも、1を選択する人は少なかった。今も、2を選択する人が多いが将来設計に不安を覚えている。機会あれば、1の選択肢に挑戦してみたいという気持ちがある。それを肌で感じている若者たちが多い。

子供が会社を辞めて自分で期間を区切って若いうちに起業挑戦をしたいという気持ちは理解できる。20歳代で起業するのと60歳代で起業するのでは、リスクの程度が違う。期限を区切って挑戦するならば、20歳代の若者の方が将来性がある。失敗しても雇用先は見つかる少子高齢化の時代だからだ。

起業に挑戦する前に副業を経験すべき

私が会社員の頃は副業が禁止されていた。今は多くの会社で副業が許される環境が出来上がっている。会社によって副業をする時の制約条件が違うが昔と違って会社の外でビジネス経験がする自由が生まれている。私の子供は社会人になっているが、副業をやりたくてもどんな副業をすれば良いかが分からないでいる。

世間はそう簡単に副業でお金を稼がせてくれない。自分のアイデアと情熱で自分なりのビジネスモデルを作り試行錯誤するしかない。そんな挑戦をしようとする子供ならば、親は子供をサポートしてあげることである。金銭的というよりも精神的の面で失敗した時に支えになる。そして、何度も挑戦させて失敗経験を増やしてあげる。

子供が自転車に乗りたいと言って何度も自転車から転げる。そんな時にサポートしたように支援する。子供は親の人生をお手本にする。蛙の子は蛙。でも、子供は親とは違った人生に挑戦できる。親はその違った人生を支援すれば良い。