93歳の義父の一人暮らしから学ぶ長寿の教え

私の義父はもうすぐ94歳になる。彼の大学の同級生は、80%が他界している。家内の実家に義母の介護支援で常駐している時に義父に長生きのコツは何かと聞いてみた。

足の筋肉が衰えているが、まだ、自分で外出ができる程度である。痴呆症になる気配も全然ないほど頭が切れる。最新の情報をテレビから学んで絶えず頭に入れているためか、私との話で不自然さがない。

ただ、スマホとメールなど近代的なツールを使っていないのでその違いがわからないようだ。スマホはこの5年間の間に大衆化し、メールは、15年間の間に広まったので93歳の義父には経験する機会がなかった。これらのツールが大衆化するときは、既に老後生活にどっぷりと浸かっていたからだ。

ITテクノロジー機器以外の話題には40代、50代の人と変わらないほど頭が機能している。話を聞いていて驚く。

 

93歳が語る長生きの秘訣

義父は私に長生きの秘訣をこう語ってくれた。

好きな事をやり続けること。そして、見えるところ、見えないところで自分を助けてきてくれた人たちに感謝すること。その感謝を機会がある度に言葉に出すこと。」

好きなことをやり続ける

彼はお酒が好きだ。朝食、昼食、夕食時に必ずOld Parrの水割りを飲んでいる。体質的にアルコールを解毒する肝臓機能が強いようだ。自宅での生活のリズムが出来上がっている。昼間は、自分の部屋でパターゴルフをやるのが頭の刺激になっているという。ゴルフは考えさせるからだと言っていた。

朝はBS−NHKで世界で何が起きているかを海外ニュースで学んでいる。それが終わると朝刊の朝日新聞をじっくりと読む。それから朝食を自分で作り始める。その後は、部屋でパターゴルフの練習をする。

自分の部屋には、大きなテレビとリクライニングの椅子が置いてある。パターゴルフに飽きたら、テレビ鑑賞や音楽を聴く。さらに、それらが飽きたら読書をしているようだ。時々、気分転換に近くのファミリーマートに出かけて可愛い女性店員の顔を見に行っている。酒のツマミを買うついでに今日はあの子がいるかどうかを確認しているようだ。

経済的には何も不自由がない年代であるため、自分の時間を思うように使っている。好きな事をやり、美味しい食べ物を味わい、可愛い若い女性の顔を見ながら会話をする。そんな生活を80歳から続けている。羨ましい限りだ。

毎週1回主治医のクリニックに行って健康チェックと薬をもらってくる。主治医からお酒は自由に飲んで構いませんと言われたそうだ。余生を好きなように楽しんでくださいということだと彼は解釈していた。

65歳になる私が好きな事

私は今年65歳になった。まだ、働いている。好きな仕事をしているので変なストレスや不満はない。インターネットでの仕事であるので絶えず最新情報を得ている。私の趣味は、スポーツセンターで筋肉トレーニングをすることだ。それ以外にこれと言った趣味がない。

敢えて言えば、SF映画を見ることぐらいだ。Star Wars、Star Trek、Terminatorなどのシリーズは最初から全て見ている。これからもSF映画は見続けると思う。未来と宇宙をテーマにした映画は未来に夢を与えてくれる。

仕事が趣味と言えるかどうか分からないが苦しみながら楽しんでいる。仕事は、死ぬまでやり続けたい。自営業であるので好きな時に辞められる。老後の生活は、自分でお金を稼ぐ事で経済的な余裕と安心を作れる。

老人ホームに入居しようとしない理由

もうすぐ94歳になる義父は自分の世話ができなくなるまで自宅での生活を続けると言っている。彼は知っている。この歳で老人ホームに入れば、1年も立たないうちに認知症になり、他界すると。多くの友人、知人が老人ホームに入って退屈な生活を送り、認知症を発症して亡くなっている。

彼にとって老人ホームは「他界するための仮の宿」である。

長寿を楽しみたかったら、自宅で生活が出来る健康な体を維持するしかない。それが出来る人は数少ないかもしれないが、老人ホームへの入居はできるだけ後にしたほうが金銭面で自分や子供家族にとっても良いと思っているらしい。

結論

長生きの人生はその人の運命である。人によって寿命が違う。寿命を伸ばす努力は出来るが保証はないのが現実である。それは誰もが分かっているのだが、自分の運命に託すしかない。もし長生きをしたいならば、好きなことを続けることである。好きなことを続けるために健康に注意する。