シニアの生きがいは、今までの経験や知識を使う場所があることで生まれる。人それぞれ違った人生経験をしている。過去の知識が突然現代で求められると言うこともある。その知識が若者ではなく、シニアにある場合が多い。
銀行の基幹システムのプログラム言語がCOBOLで書かれている。COBOLは昔のコンピュータプログラミング言語である。今は学校で教えられていない。それがわかる人材は、シニアの元プログラマーである。
COBOLを使えるシニアのプログラマーはいま時代のニーズを満たせる。昔の技術が求められると若いプログラマーでは対応ができなくなる。
時代のニーズは未来だけでなく過去にもある
宝の持ち腐れ。シニアは宝を持っているが生かせない状態に置かれている。シニアのリソースを上手く分析して整理すれば、後はマーケティングの問題になる。シニアのリソースとは、その人独自の人生経験、技術、知識、人間味などではないか。
現代に無い過去の製品を作り出すには、その製品を作っていた人にお願いした方が良い。作り方とコツを知っている。ここに今のシニアが活躍する場がある。現在の市場にない過去の製品のニーズを作り出せれば、過去の製品が現代の製品に生まれ変わる。自動生産で作れる物でなければないほど希少価値は出てくる。
シニアの経験と勘で作られる過去の製品が求められれば、その経験と勘を持ったシニアに新しい職場と生きがいを作る。レトロの製品は、マニアがいる。マニア市場を開拓できれば、シニアのリソースを活用できる。ポイントは、過去の製品を現代に蘇らせるためのニーズを作り出すことだ。マニア市場がなければ、新しくその製品のマニア市場を作り出す。
古い物が全て無価値ではない。新しい物が全て価値があるというわけでもない。価値は、その製品を買う人たちだけに認識される。シニアの知恵、知識、経験の価値を買ってくれる人たちの市場を見つけるだけでシニアの生きがいと働く場所が生まれる。
シニアの知恵は生活の知恵かもしれない。時代の変化に対応した生き方をしてきたシニアには、何らかの生活の知恵が蓄えられているのではないか。知恵の有る人と無い人がいるので一概には言えないが。知恵が有る人は、自分の知恵を発揮できる場を探している。そんなシニアとその知恵をマーケティングできる若者がパートナーになれば、両者にとっての有益な場とビジネスが生まれる。
若者は、シニアの持っている知恵にアクセスが出来ないので知恵をマーケティングできない。ビジネス価値を生む知恵を見える化することさえ出来れば、若者たちがそれを使ったビジネスを生み出すかもしれない。今の若者たちが生まれていない時代の製品や知恵は現代の若者たちに新鮮な物として映るはずだ。