60歳定年退職になると自分の生き方に迷う。会社組織から離れた生活を見通すことが出来ない人が多い。大学を卒業して大企業に就職するまでは、誰でもが頭で描ける一般的な人生の道である。その道を歩いて行けば、取り敢えず、安全な人生を送れるという見通しがあった。
会社に就職して定年退職したあと、どうすれば良いかの道が教えられていないというか、一般常識として知られていない。知られているのは、定年退職=働かないで年金生活をする。生活に必要なお金は年金でまかなわれるので自分の時間を好きに使って良いよ!という状態に置かれる。
定年退職後のシニアの生活は、個人差がありすぎる。何をして良いか分からないシニアは、毎日が日曜日で精神的に苦しみ始める。暇な時間が悩みの種になる。そんなシニアはこれからの人生の見取り図を作成することが第一歩になる。
定年退職後の見取り図を描く
定年退職後にこれをやってみたいという夢を持っている人は、戸惑いがない。やっと、やりたい事が出来ると喜ぶ。多くの人は、会社人間として飼い慣らされてきた。仕事は上から落ちてくる生活で生きてきた。落ちてきた仕事を一生懸命やればそれで良かった。定年退職後にはそんな生活を卒業して自分で仕事を見つける、または、作るという人生になる。それが出来なければ年金生活に入るしかない。
見取り図の書き方
悩んでいるシニアは自分で航海図を描くしかない。年代別にやりたい事をリストしてみる。リストしたことを一つづつ実行してみる。何もしないで自宅でゴロゴロしているのはつまらない。
60歳から70歳まで
60歳から70歳までの10年間は定年退職者にとって余生を一番楽しめる時期になる。健康、体力、お金の面で余裕がある。この時期に3つのことをすべきである。
- 筋トレを始めて定期的な運動習慣を生活のリズムに入れる(筋肉の量が減るのを予防する)
- 夫婦旅行をできるだけ多くする(非日常を楽しむ)
- 年金以外の収入を得るために小遣い稼ぎの仕事を作り出す(個人事業主になる)
やりたい事が明確なシニアならば、思っていることをどんどんやる。ただ、注意することは年代別に健康、体力に変化が起きるのでそれに応じてやりたいことをどう展開していくかを考えておくことである。
70歳から75歳まで
70歳から75歳の人生は健康や体力面で急激な変化が起きやすい。体が資本の老後であるので仕事に使う時間を減らして健康維持と体力強化に時間を投資する生活に入るべきである。近くのスポーツジムで最低週2回筋トレをする。生活のリズムに筋トレの時間を必ず入れる。
仕事はアルバイトやボランティアなど自分の都合で時間調整ができるような仕事にする。個人事業主になって自分の仕事をしているならば、仕事をする時間を少なくする。空いた時間を新しいトレンドや技術などの勉強に使う。時代に置いてきぼりにならないようにするにはどうすべきかを考えて行動する。
伴侶が他界しても困らないように一人生活で必須になる料理を習得する。
75歳から80歳まで
75歳から80歳までの人生は健康と体力維持を生活の中心にした生活を送る。毎日スポーツジムに通って同じ思考の仲間たちと交流する。疲れた体を休めるために満天の湯のような場所でお風呂を楽しみ、ゆっくりする。この頃まで仕事をしているならば、仕事を辞める準備をする。
孫がいるならば、孫のお世話をする。時間が余るようならば、一人旅を楽しんでみる。
80歳以降
80歳を過ぎれば、いつ他界しても良いように準備をしておく。あとは、気分に任せた生活を送る。趣味があれば、趣味に没頭する。欲しい物があれば、買う。食べたいものがあれば、価格に関係なく食べる。節約する人生をやめて貯めたお金を使って有意義に過ごす。
健康に悪くなければ、我慢しないで思う存分やってみる。この世界にいる時間が少なくなっているのは確か。仮に100歳まで生きられても普通の生活を楽しめる時間は少ない。体力と健康勝負である。
描いた航海図を実行する
自分が描いた余生の航海図を実行してみる。必ずしもその通りにならなくても気にしない。適当に調整しながら自分が満足するように時間を使う。
いつ他界しても良いように準備ができていれば、あとは好きな事をするだけである。やり残しがないように時間とお金を使う。
結論
- 生活資金を稼ぐことから始めるシニアは目的を持って仕事を探す、個人事業主として仕事を作り出す
- 自分の健康を維持するためならば意図的に体を鍛える仕事(スーパーのカート回収の力仕事)をする
- 生活資金を貯めるためでも意義を見出せる、自分の人生の旅を楽しませてくれる仕事探しに絞り込む
自分が描いた見取り図に従って時間を有意義に使う。計画通りにならなくても良い。都合に合わせて調整し、余生を愉しめば良い。体が資本であるので健康と体力で個人差が大きく出る。健康と体力を維持できれば、普通の生活を楽しめる。