高齢者には難しいスマートフォン(iOS, Android)

iPhone 6から13に家内(63歳)のスマホを買い替えた。iPhoneの基本的な使い方は習得した妻だが、習得したのは限られた操作だけである。彼女はスマホをガラケー感覚で使っている。いつも使う機能が決まっているからである。本来ならばiPhone 6をいつまでも使っていたいというが、メモリー容量が16G、容量不足で色々な問題を起こしていた。

快適にスマホを使いたいという欲求でiPhone 13の買い替えになった。メモリー容量が128Gであるので余裕で通常動作ができている。妻にとってメモリー容量がどうのこうのというのはどうでも良い。問題なく使えれば満足なのである。

しかし、スマホを使っている妻は突然画面に変なものが表示されると大騒ぎ。通知で変な音がするとか。画面でパスワードを聞いてくるなど分からないことだらけですべて私に何とかしろ!言ってくる。スマホは普通の電話機ではなく超小型モバイルパソコンである。スマホのハードウエア、OS、アプリ、通信回線、Wi-Fiなど色々なコンピュータやインターネットの知識が必要になる。

IT用語がわからないシニアにその仕組や意味を教えるのは無理である。スマホは問題がない範囲で使えるだけ使うしかシニアに選択肢がない。

スマホの操作教育、使い慣れた人がそばにいて教えてくれれば解決

高齢者が初めてiPhone 13を使い始める時に詳しい人がそばにいないとスマホを使うのを諦めてしまう。老人は文明の利器を使うための基礎情報を身に付けていない。インターネットの仕組み、OS、メールの仕組み、アプリなどカタカナIT言葉について行っていない。

iPhoneに慣れた人が隣で教える

分からない事をすぐに聞ける人がそばにいると時間はかかるが徐々に分かる所からスマホの操作を学んでいける。私はiPhoneを持っていないがアンドロイドのスマホを使い慣れている。そのため、ちょっとiPhoneを触りまくれば大体のことは分かる。スマホのOSはアンドロイドOSと類似な点が多いからだ。

時代に追いついて生活しているのでスマホ問題を解決できる。文明の利器を使う機会を逸したシニアたちが、急にカラケーからスマホに変えようとしても理解に無理がある。スマホは、電話端末というよりは超小型モバイルパソコンである。通信サービスとパソコン機能がスマホに詰め込まれている。

シニアは知識と理性があるがためにスマホを遊びながら学ぶという事が出来ない。操作マニュアルを読んで学ぼうとするが、スマホにはパソコンに同梱されている紙の操作マニュアルはない。ウエブでPDFをダウンロードして下さいとなる。

シニアにとって ウエブ? PDF? ダウンロード? となる。IT用語で説明することになるため、シニアは理解が出来ない。こんな状態の人に文明の利器を教えるのは2倍、3倍の苦労が伴う。使い慣れた人から言えば、何でこんな簡単なことが理解できないのとなる。シニアには、そう簡単に新しいことを吸収する頭がない。新しい機器に適応する助走期間が長い。

シニアが求める機能だけを教えれば良い

家内が使いたい機能はメールとLINEである。それ以外は興味がないという。友達との連絡やコミュニケーションで必要になるからだ。ガラケーではメールと電話でそれが出来ていた。スマホを持っている友人たちは、それにLINEが加わる。家内はメールという概念は理解している。分からないのは、iPhoneでのメール作成、削除、転送、一斉送信のやり方だ。

連絡帳とメール機能が同期されていることを教える必要がある。何故そうなっているかと聞かれてもそのような仕組みになっているとしか言いようがない。使い慣れれば、その利便性がよく分かる。 

初めてiPhoneを使い始める時、ガラケーに登録されている友人のメールアドレスをiPhone 6の連絡帳に登録するところから始まった。メールアドレスの登録が面倒であった。機械的に作られたメールアドレスだったり、意図的に長く記号や番号を使って作っていたりしている。手で登録するので時間がかかった。

これがiPhone 6から13に移行するときはすごく簡単であった。iPhone 6 の設定とデータをiPhone 13に自動コピーできる機能を見つけたからである。

妻は連絡帳に友人情報(電話番号やメールアドレスなど)を登録する操作には慣れたようだ。これができれば、あとはメールの作成と送受信の操作を教えるだけ。何人かの友人にiPhoneが新しくなったというメッセージをメールで送信することを経験してやっと使い方を習得する。

妻はLINE中心のスマホ使い

スマホを使い始めるシニアに使いたい用途を先に聞けば教える内容が決まる。使わないスマホ機能を始めから説明するのは骨が折れる。感謝されるスマホ知識を教えれば、シニアもスマホで困らない。

家内はiPhone 6でLINEの使い方を覚えた。家族のグループLINEを作って必要に応じて伝えたい連絡を家族全員に通知している。私への電話も無料LINE電話を使う。LINEクーポンを使って日常品を安く購入している。友人、知人、地域の人達との連絡もお喋りも全てLINE経由になっている。

夫婦でドライブ旅行に行き、訪問先の写真を家族LINEに投稿する事もできるようになった。リアルタイムで伝えたい事を写真、動画、メッセージで伝えられる機能に妻は驚いている。

スマホを使ってマイナポイントの取得手続きで難点あり

スマホは高齢者にとって理解しがたい情報端末であるが、時代がスマホ中心に歩き始めている。スマホがないと行政手続きも簡単にできない時代である。最近、スマホで奮闘していることがある。マイナポイントの取得である。

健康保険証と銀行口座登録で1万5000円分のポイントが政府から頂ける。マイナンバーカードとパスワードがないとマイナポイントは入手できない。マイナンバーカードとスマホを使ってマイナポイント取得手続きをするのだが、NFC設定をONにしないと出来ないというメッセージが出る。NFCがスマホ機能がないと何も始まらない。スマホ設定でどこを触れば良いか分からない。それを探すだけで時間が取られた。

NFCがONになっても次から次と問題が発生する。マイナンバーカードをスマホの裏面に置いて認証するのだが、マイナンバーカードの置き向きが使っているスマホ機種で違う。こんな事を高齢者に理解させるのは無理である。マイナンバーカードをスマホに触れるか触れない距離に置かないと認証してくれないことを発見した。これが分かるまで何度も試行錯誤をした。

結論

シニアにとってスマホを理解するのは難しい。昔の固定電話のように用途が通話だけならば難しい説明はいらない。今のスマホは多機能の上、電話以上の機能が備わっている。基本は電話機のように見えるがやっていることは超小型モバイルパソコンである。コンピューターを触って使ったことがない60歳以上のシニアにとって理解を超える端末になる。

スマホを使い始めるとiPhoneもアンドロイドもOSやアプリのアップデートが発生する。その度にパスワードを聞いてくる。この時点でシニアはお手上げになる。

シニアが求めることはやりたい事ができれば良いだけ。電話、LINE、マップ、メール、写真、ホームページ閲覧、オンラインショッピングなどである。スマホはこれら以上の機能があるがシニアにとっては必要ない。必要なのはスマホを使う時に問題が起きたら自動的にその問題を解決してくれることである。

将来的にはAI機能が自動的に使用者と対話して処理してくれるようになるだろう。