シニアに優しいスーパーマーケットが本当にあるのか疑わしい

シニアにとってのスーパーマーケットは、日々の生活を支える場所だ。特売日には、開店を待っている老夫婦が朝早くから並んでいる。シニア向けに量が考慮された切り分け済みのサラダ用野菜や惣菜が多くなった。5年前からスーパーマーケットは、シニアの消費者を意識した品揃えや商品の棚並べ、そして、配達サービスを提供している。

ただ、人手不足の影響で多くのスーパーがレジ作業をお客様にやって頂く方式(セルフレジ)に変えてきている。70歳以上の老人にとって見慣れぬセルフレジの機械を操作するのはシニアにとって負担が多い。そのためか、お金の支払だけを機械で行う方式が増えてきている。

シニアがスーパーマーケットに求めること!

シニアがスーパーマーケットでもたつく時がある。動作が遅いためショッピングカートを上手く動かせない。カゴに入れた食材が重いためレジにカゴを移すのが辛い。スーパーマーケット専用のカードの提示が素早く出来ない。レジ担当が次々に購入した食品をレジ端末の赤外線で記録して行く。最終の料金がレジ端末に表示されるが、目が悪いためによく見えない。レジ担当の声で料金がわかる。お金を財布から出そうとするが、どうしても遅くなる。

こんな感じの出来事がレジて起きている。

セルフレジはIT弱者を差別する

セルフレジは70歳を過ぎている老人に強要するのは得策ではない。仕組みを良く理解できて、使い方が慣れてしまえば良いが時間がかかる。赤外線のスキャンの仕組みが理解できなければ、いつまで経ってもスキャンが上手く出来ない。終いにはヘルプスタッフがやってきて代わりにやってあげる結末になる。

IT機器に疎い高齢者にセルフレジの使い方を教えるのはお客さんに苦痛を与える。今まで通りレジ担当が行えば何も問題がないのだが、レジ機器の操作を自分でやらねばならないという作業はお客さんに負担を与える。若い人たちは直ぐに操作を覚えるが老人はそうは行かない。社会のIT弱者を差別するセルフレジは高齢者に受け入れられない。

あと5年以上経過すればセルフレジの方法ももっと簡単になるだろうと思う。赤外線でスキャンしないで食材に貼り付けられたICで自動的に読み取ってしまう。後は、お金を支払うだけになる。そんな実験店舗があるが、色々と問題を抱える。

イオンの挑戦:レジゴー(買い物をしながらセルフレジ)

レジゴーとは

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スマホの操作で問題がないシニアならば、レジゴーの操作もそほど問題にならないかも知れない。それでもIT弱者にとっては障害が多い。特に支払いの場面で聞き慣れない言葉や操作を指示される。間違った操作をしたらどうなるのかなど心配事が増える。

実際にイオンスーパーに行ってレジゴーを見たが、端末がすべて使われていた。使い方に慣れた人は非常に便利なセルフレジである。レジゴーが使える店舗はこちらのページにリストされている。

イオンスーパーでレジゴーを体験

レジゴーはスマホアプリで稼働する。イオンではレジゴーアプリだけが起動するスマホを自由に使える形で提供している。カートもレジゴーのスマホを置ける専用カートになっている。購入する食品にはバーコードが印刷されているのでレジゴースマホでバーコードをす関することで作業が終わる。

こんなステップになる。

  1. 食品を手に取り、バーコードを探す
  2. バーコードをレジゴースマホでスキャンする(食品ごとにスキャン機能を動かすので面倒)
  3. スキャンし終わった食品をカートに入れる
  4. 購入する食品のたびにレジゴースマホのスキャン機能を稼働させる
  5. レジゴー専用レジに行く
  6. 決済方法を専用レジで選択して終える
  7. レジゴースマホ画面に表示されたQRコードを使ってレジゴー端末を返却する

2つの問題を見つけた。

  1. レジゴースマホのスキャンは継続して食品のバーコードを読み取れない
  2. 赤外線でバーコードを読み取るのだが認識機能が悪いためなかなか読み取れない

夫婦でレジゴーを体験したが印象は悪い。二度と使いたくないという結果になった。やはり、人間がいるレジで買い物の精算をしたほうが楽である。

レジゴーの操作を直ぐに学べる若い人たちならば我慢できるだろうが、高齢者でスマホやバーコードスキャンに慣れない人は難色を示す。イオンの新しいサービスであるが、決して流行しない。レジゴーが導入されてから1か月後の状態はレジゴースマホが使われないで置かれている。ハイテクであるが利便性が悪いという証拠である。

レジ担当はしばらく無くならない

老人にとってレジでの作業はレジ担当にやってもらいたい。お金の支払も機械ではなく、人間に手渡す方法を望む。ほんとうに老人に優しいならば、老人が一番困ることを楽にさせることだ。自分たちの労力を効率化するのではなく、弱者を含む消費者の利便性を良くする仕組みに効率化を作り込むことである。

老人は足が悪い上に動作が鈍い。その上、目や耳も悪い。体が普通の人の半分ぐらいしか正常に動かなくなっている。老人の動きを眺めれば近づくのが危ないと感じる。ちょっと体に触れてバランスを崩せば、転んでしまいそうになるからだ。セルフレジは健常者向けである。その意味合いで人間によるレジ処理はしばらく無くならない。高齢者がどんどん増えているからなおさらである。

老人は周りの状況を理解しないで自分が求めていることだけに集中し勝ちになる。安売りの日にはその行動がはっきり観察できる。私は老人のショッピングカートにぶつけられた。老人は目的の安売り製品がある場所に後ろを向くことなく突っ込んでいった。精神的な余裕がない状態になっている。

個人差はあるが、年を取り始めると世間体などを気にしなくなる。自分にとって都合が良ければそれで良いという考え方に傾く。老人の心理を理解したスーパーマーケットは、一般の消費者と老人の消費者を上手く分けて対応をしている。私はレジにシニアレーンを作ることを提案したい。一般の消費者は、セルフレジで買い物を済ませる。安売りセールスの時は老人たちが争って朝早くやってくるので買いやすい仕組みを考えて頂きたい。

結論

安売りの日は年金生活で苦しんでいる老人たちが殺到する。IT弱者の集団がセルフレジを使うとは思えない。通常のレジレーンは老人で長い列。若者たちだけがセルフレジを使っている。これが現実のスーパーである。

  • スーパーマーケットはシニアの消費者向けに色々な工夫をしてきている。
  • セルフレジが導入されたのだが、70歳過ぎの老人にはセルフレジは無理。自分ですべての作業はできない。若い人向けである。
  • 体が衰えてきている老人のショッピング体験を楽しくさせる工夫が足りない。シニア専用レジレーンを作るべきである。少子高齢化がどんどん進む。

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