割高なものが急激に値下がる。その原因は、色々ある。技術革新、需要と供給、競争激化、環境変化、季節、関税、法改正などである。シニアの生活で価格破壊から恩恵を受けるのは、日常生活品だけであろうか。
スーパーの特売日のチラシが新聞に入っている。このチラシで目玉商品を買いに朝早くからお店の前で並んでいる人たちがいる。老人、シニア、専業主婦だ。
低所得層、家計を取り仕切る主婦層たちが価格の変動に敏感だ。私のような仕事をしているシニア男性は、日常生活品の価格変動が分からない。日頃の製品価格相場の情報が入ってきていないからだ。
価格破壊で得するのはニーズが強い特定消費者層だ!
最近の価格破壊は、スマホ業界で起きている。格安スマホやSIMだ。スマホに興味がない人には全く影響しない価格破壊になる。スマホを持っているシニアでもこの恩恵を受ける人は少ないかもしれない。スマホをよく理解していないためドコモ、AU、ソフトバンクなどのキャリアの宣伝で高いスマホサービスを利用してしまう。
私のようにインターネットビジネスを仕事にしているとスマホを頻繁に使う。自然とスマホ関連の知識や情報が入ってくる。今使っているスマホは2万円以下。フリーSIMは使っただけの料金を支払っている。1か月、400円以下だ。1か月1ギガ以内の使用量だからだ。
この2年前までは、スマホとSIMは非常に高かった。1か月の使用料金が1万円ぐらいであるユーザーが当たり前であった。格安スマホとSIMフリーサービスが業界で生まれてくると競争が激化する。そのお陰でスマホのハードウエアや通信サービス料に価格破壊が起きている。
昔と違って通話サービスで儲ける事が難しくなった。若い人たちは、お金がかからない通話サービス(LINEの無料電話)を使っている。インターネットのデータ通信の中で普通の通話ができてしまう技術が当たり前になったからだ。私も家内と通話する時は、LINE無料電話を使う。スマホのLINEアプリをインストールしてあれば、LINE友達に無料電話が出来る。
スマホとLINEアプリを使っているユーザー層だけの特権になる。シニアがこの恩恵を受けるには、スマホとLINEアプリが必要になる。
ただ、
シニアにとってスマホの存在は、あまり重要ではない。日常的にスマホを使うシニアならば、価値があるが多くのシニアはスマホの取り扱いが自分で出来ない。色々な技術的、専門的な知識を要求されるからだ。何かの操作でやり方が分からなくなって行き止まりになることが頻繁に起きる。
技術革新による価格破壊は、特定層だけに恩恵をもたらす。
シニアが喜ぶ価格破壊はどこにあるだろうか。それは、介護施設市場だ。介護付有料老人ホームの利用料金が高すぎる。人間による介護サービスがロボットや介護支援機器でなされるようになると大衆向け介護付き老人ホームの利用料金に価格破壊が起きる。
見守りや介助支援の介護ヘルパーの仕事がロボットや介護支援機器で代行できるようになれば、人件費を低く抑えられる。どのビジネスも人件費が一番コスト高だからだ。このコストを抑えられれば、料金が下がる。在宅介護は、家族や伴侶に相当の負担を負わせる。この問題を少しでも解決させるには、介護施設の増設とその利用料金の低下だ。
シニアの殆どが年金生活である。年金生活のシニアの老後を助けるための価格破壊があれば、その分野での需要はうなぎのぼりになる。