人生の付け。飲み屋の付けと違って期限がない。介護ベッドでの生活が始まった時点でこれまでの付けの支払いが始まる。
元気で生活している時は、生活習慣病という付けが見えていない。年齢が70歳を越え始める頃に体の免疫力が弱まり、体の弱い部分から病気が発症する。 誰も日頃の見えない付けを意識していない。人間ドックで生活習慣病予備軍と判断されたら、今まで見えていなかった生活の付けが見え始める。気が付いたら、医者からこの病気の原因は生活習慣から生まれたと言われてハッと気が付く。
人生の付けは色々な形となって突然やってくるが意識して対策を準備できる。
お金で困らない老後
老後の生活は、どのような生活になるか皆良く分かっていない。どのような生活にするかは、全て自分の頭の中にある。若い頃(40歳代、50歳)から自分の老後は、こんな生活をしたいという絵が出来ていればその絵に向かって準備が出来る。多くの人は、定年退職が近づく60歳代に慌てて自分たちの老後をどの様にしたいかを考え始める。
終の棲家として老人ホームに入居できるのかどうか?
定年退職時の頃は、子供の教育費と住宅ローンの払い終わりの時期になる。その時が一番金融資産が底になっている時でもある。子供が就職し、住宅ローンもなくなり、後は仕事を見つけてお金を老後のために貯め始めるという時になる。
老後はお金が十分あるか、ないかで生活スタイルが変わってくる。特に、自分たちの終の棲家としての老人ホームを探すときに問題になる。老人の人口が増加する今、お世話に成る特別養護老人ホーム(公的機関)、民間有料介護付き老人ホーム、自宅の3つしか選択が無い。金銭的に負担が少ないのが特別養護老人ホーム(月額10万から15万円ぐらい)なのであるが、競争が激しいし待たされ簡単に入居できない。
そこで民間有料介護付き老人ホームに入居する選択を考えるのだが、入居一時金と月額料金の高さで多くの一般庶民は金銭的に無理な事に気付かされる。残るは、在宅介護しかなくなる。在宅介護は、家族への負担が大きすぎる。経験が無い人たちはその負担が想像以上である事を知らない。
先立つものはいつもお金!
自分たち夫婦の老後の介護をどのようにするかを決めておく必要がある。この時、先立つのがお金。お金が無いために夫婦のどちらかが介護すると悲惨な余生が始まる。伴侶の介護負担に耐えられなくなり殺人事件を起こしたり、自殺したりする。ニュースになる事件は氷山の一角ではないかと思っている。在宅介護は、お金が無い人たちを苦しめる。
問題を解決するには2つの方法が有る。
- 自分の健康寿命を伸ばす(普通の生活が維持できる体力と健康)
- 老人ホーム入居で発生するお金を稼ぐ
老人ホームに入居しないで自宅での生活が続くならば、それが一番お金がかからない。健康寿命と他界する年齢が近ければ近いほど老人ホームの世話になる時間が短く発生するお金も少なくて済む。これが理想的な老後ではないか。今、私達夫婦は家内の両親を介護している。義父は自宅で一人暮らし。掃除、買い物などを週1回訪問して介護支援をしている。週1回は老健施設に入居いる義母を訪問する。
義父94歳、義母88歳。この年齢の両親が二人とも老人ホームに入居するならば、相当の月額費用が発生する。義父は私達に負担が行かないようできるだけ長く自宅で生活を続けると宣言している。一人暮らしが難しくなった時点で老人ホームに入居することを考えている。義父の年齢から想像して数年以上老人ホームで生活を続けられるとは考えづらい。
義母も88歳であるので長くても10年ぐらいは生き続けられるかもしれない。老人ホームに入居するにしても10年間の資金があれば何とかなる。両人とも持病がない。ただ、老化で体に不自由を感じているだけである。
出来るだけ長く働き続けて収入を得る準備をする
65歳の私が出来る事は、定期的に運動をして生活習慣病を防ぎ、健康を意識した生活を送ることである。あとは、天に運を任せるのみ。その一つの対策として、死ぬまで働ける仕事を持つ事である。健康寿命を伸ばす筋トレと健康的な食事で普通の生活を維持する。
お金を自分で稼ぎ続けられることが一番の老後対策になる。年金と貯蓄だけでは生活が悪くなっていく。お金が継続して入ってくれば、貯蓄は増え続ける。そんな仕事を老人でも出来るようにする。そんな仕組みを作ることでお金の問題を軽減する。
今、60歳代ならば年齢が80歳になってもお金が入ってくる仕事を自分で作る努力を試行錯誤するべきである。これをやる、やらないで老後の生活はだいぶ違ってくる。
結論
- 人生の付け。飲み屋の付けと違って期限がない。介護ベッドでの生活が始まった時点でこれまでの付けの支払いが始まる。
- 元気でお金を稼げるうちに老人ホームに入居するための貯蓄をする。
- 定期的な運動をして生活習慣病を防ぎ、健康を意識した生活を送ることだ。あとは、天に運を任せるのみ。