衰えて行くシニアの筋肉をどう筋トレするべきか?

squat

60歳を越えたシニアは、足腰の筋肉の衰えを意識する必要がある。体の衰えは必ず足腰からやってくるからだ。どの医者もスクワット運動をやりながら毎日一定時間の散歩を勧めるはずだ。足腰の筋肉は、使わないと知らないうちにどんどん失われていく。この事実を決して忘れないことである。

私の筋トレの目的は、ボディービルダーのような肉体を作るためではない。結果としてそうなるのは構わないが、それが目的ではない。2つの目的がある。

  1. 筋肉の衰えで普通の生活を出来なくなる事を防ぐ
  2. 普通の老人よりもパワーがある体であれば人助けが出来る

自分の体重を使って簡単にできる筋トレ運動は?

足の力が落ちたと感じたことがないだろうか。しゃがんで立ち上がろうとすると素早く立ち上がれなかったという経験だ。筋トレは、弱くなった筋肉を鍛えるためである。弱くなった筋肉をどのレベルまで鍛えるべきかを考えると自分の体を自由に動かせるだけの筋力が目安になる。それ以上を求めると体の何処かに無理が生じるかもしれない。

目標は人並み以上の筋力強化を目指すことである。年齢以上の体力はどんな場合でもプラスに働くからだ。

シニアは腕の力が弱くなる(懸垂が1回も出来ない腕力)

pullup

60歳代で懸垂が何回出来るか試して頂きたい。1回出来れば優秀ではないか。殆どのシニアは、懸垂ができなくなっている。学生時代に懸垂が出来ていても老人になったら頭と体の感覚にずれが生じていて懸垂が出来ると思っていても出来ない。そんな自分に驚く。

日常生活で引っ張る力を要求する場合が少ない。押す力を使う事は多いが、引っ張る事は少ない。これが老人になると使わない引っ張る筋肉がどんどん失われて行く。意識して鍛えないと鉄棒で自分をぶら下がれなくなる。

引っ張る筋力が弱まるとロープに捕まっていられなくなる。ロープを使って山を登ったり、川を渡ったりするときにロープに捕まっていられる筋力が弱いと自分の体を維持できなくなる。自然災害のときに引っ張る筋力が強いと命拾いをするかもしれない。

手の力だけで体を持ち上げられれば、高い塀も登れる。自分より高い障害を登るには、自分の体を引き上げる力が必須になる。スポーツジムでも懸垂を一生懸命やっている人が少ない。シニアは特に懸垂をやらないというか、ぶら下がる事で精一杯のようだ。

懸垂が出来るようになれば、確実に握力と引っ張る力が上半身にできてくる。私は1セット10回懸垂が出来る。1年間継続的に懸垂をやっていたからそれが出来るようになった。上半身の筋肉を強化する一番の筋トレは「懸垂」である。

自分の体を自由に動かせる筋力があれば、活動範囲も広がる。体を軽くさせるには、人並み以上の筋力が必須である。

体のバランス感覚を失い始める

one leg standing

老いてくると体のバランス感覚を失い始める。片足を上げて立っていられる時間が短くなる。ちょっと傾いただけで片足をついてしまう。片足だけで自分の体を踏ん張っていられない。階段を上がり下りするとき、片足でバランスをとる。バランス感覚が弱くなると階段を降りる時にふらつき始める。徐々に階段を使わなくなり、エスカレーターやエレベーターを使い始めて足腰の筋力を弱める。

立って歩く時に体のバランス感覚が悪いと体がふらついてくる。老人がよろよろ歩いているのを見たことがあるだろう。脚力と体幹の力が弱くなっているために体全体のバランスが取れなくなっている。体のバランスを良くするためには、足と体幹の筋力を強化する必要がある。同時に片足立ちをやってアンバランスな状態でバランスを調整する感覚を身につける必要が出てくる。

足腰の筋肉を強化する筋トレをやると体のバランス感覚も改善される。片足スクワット運動を1年間続ければバランス感覚は改善される。足腰の筋力が強くなると体全体を支えやすくなるからである。

転んで怪我をしない筋力と骨

Push Up

70歳を過ぎると多くのシニアは、何かの拍子につまずいて転倒する回数が増えてくる。転倒した時に怪我をしてしまう場合が多い。倒れる体を手と腕で支えようとするが、自分の体重を支えきれなくなり顔を傷つけてします。腕立て伏せをやってみて頂きたい。自分の体重を支えてあげる時にどれだけの力が必要かがすぐに分かるはずだ。

体をゆっくりと下げていくことが出来ても、倒れるようなスピードになるととても自分の体重を支えられない。腕立て伏せをして自分の体が軽く感じない限り、腕の力は弱い。腕立て伏せが1回も出来なければ、致命的だ。前に倒れたら必ず怪我をする。

筋トレは、自分の体重を十分支える筋力を身につけるためにある。 

シニアはこのレベルを目標に筋トレをすべきだ。自分の身を守るためにも自分の身を支えられる筋力はどうしても必要になる。

私は、基本的に下記の運動を必ずジムでしている。

  1. 自分の体重を使ったスクワット
  2. 懸垂
  3. ベンチプレス
  4. バーピーズ(全身の筋力を鍛える運動)

これらの筋トレ効果は、確実に体に反映されている。それが体格に出てくる。

結論

  • 60歳を越えたシニアは、足腰の筋肉の衰えを意識する必要がある。体の衰えは必ず足腰からやってくるからだ。私の筋トレの目的は、ボディービルダーのような肉体を作るためではない。結果としてそうなるのは構わないが、それが目的ではない。2つの目的がある。(1)筋肉の衰えで普通の生活を出来なくなる事を防ぐ。(2)普通の老人よりもパワーがある体であれば人助けが出来るようになる。