経済的に余裕がある年金生活のシニアは、ハッピーリタイアメントを楽しんでいると多くの人が勝手に思っている。これは、個人差があるが充実した生活を送っている人はほんの一握りだ。多くは、問題を抱えている。リタイアメントはハッピーとは限らない。
大企業定年退職後、子会社で役員をして65歳で孫会社の顧問になり、出社せずに給与が振り込まれる知人を知っている。これだけを見れば、なんて羨ましい人なんだろうと思うはずだ。
落とし穴は自由にできる時間だ!
多くの年金受給者は、年金だけでは生活が出来ないと愚痴を言っている。厚生年金がない個人事業者や中小企業のシニアは、国民年金だけである。誰が見ても明らかに国民年金だけでは生活が出来ない。当然、死ぬまで働くしか無い。または、生活保護で生きて行くしか無い。シニアにも大きな格差がある。
65歳を越えてからの収入格差を無くすには、経済的な余裕をもたらす仕事を見つけるか、自分でビジネスを始めて稼ぐしか無い。収入格差は簡単には縮まらない。それに、個人差がありすぎる。その人の能力と意志の強さ(諦めない心の強さ)、そして、運に依存する。
そんなことを気にしないで生活が成り立っている裕福な年金受給者がいる。年金を上手くコントロールして使えば死ぬまで経済的に困ることはない。こんな人達は、衣食住で何も問題を抱えていない場合が多い。
裕福なシニアは暇な時間を有効に使えない
自由にできる時間がありすぎるという問題を裕福なシニアは抱える。
シニアにも色々な人がいる。生きがいを持って生活をしている人、働く必要がないが働いている人、長年続けてきた趣味に没頭している人、新しい経験を求めて世界中を一人旅している人、NPO団体で中心的な仕事をしている人、何かに自由な時間を投資している人は、落とし穴にははまらない!
誰もが目的を持って自由な時間を使っているとは思わない。殆どの人は、暇な時間をどのように使ったら充実した使い方ができるかを探している。
元気で健康なシニアが増えてきている。昼間、街を歩いているシニアたちが目立つ。昼間から寿司屋でビールを飲みながら友人たちと昔話を楽しんでいる。目的もなくデパートの休憩場所でぼーっとしているシニア女性が多い。皆さん、元気だ。元気だから外に出てくる。外に出てきても何もやることがない。
生きて行く上で働かなくても生活ができるシニアは、無駄な時間を費やしている。
暇な時間を有効に使うには?
私は、自分でビジネスをしているので自由になる時間をお金を稼ぐことに使う事ができる。理由は、ビジネスをやらないと生活で余裕が生まれないからだ。同時に、ビジネスの面白さを働くことで味わえることにある。生きていることを楽しめる。一方で自由になった時間を楽しめない裕福なシニアは不幸である。
自由になる時間がたくさんあるシニアは、生活のコアになる自分独自のワークを作り出すか、見つけるかしない。生活のコア時間がないと精神的につまらない時間を過ごすことになる。
そんなシニアに助言することは、経験したことがないことを経験する。やったこと、味わったことがない体験を探してアクションを起こすことだろう。生活のリズムは、定期的に特定の時間を同じ事に投入する事で簡単に作り出せる。1日の数時間は、このワークに使う。それだけで落とし穴から這い上がれる。
シニア同士の横のつながりを生むプロジェクト作り
近所のシニアたちに新しい体験を味わってもらうプロジェクトを作って、横のつながりを深め、シニアたちのニーズを探し、また新しいプロジェクトを企画する。一緒に動いてくれるシニアが出来れば、そこにまた新しい体験が生まれる。自由になる時間が有れば、あとは、その時間の使い方を自分で企画化するだけだ。
私が住むマンションは築23年ぐらいになる。住民たちも老齢化してきている。多くは定年退職して年金生活にはいろうとしている。最近は、そんなシニアから面白い企画が生まれて来ている。健康体操の会、地域散策の会などシニア住民の横のつながりを深める企画だ。
住民の誰かが率先してそんな企画を作ってアクションを起こしている。今までこのような憩いの会はなかった。歳を取り始めると一緒に交流できる仲間を求め始める。それも身近な仲間だ。すぐに会える仲間だ。生活環境が同じであれば、何かをやろうと思えばできる可能性が高い。「自由な時間の落とし穴」に入っている人は、是非、自分で出来るプロジェクトを企画してアクションを起こしてもらいたい。
結論
働き続けないと生活が成り立たないというシニアは、幸せかもしれない。暇な時間が有りすぎて精神的に悩んでいる年金裕福なシニアとは違う。やるべき事が明確である。暇になった時間を有効に使っているシニアも多い。
自分たちでプロジェクトを企画してシニア同時のつながりを強化している。健康体操の会、地域散策の会などシニア住民の横のつながりを深める企画である。