子供が大人になり自分たちの人生を歩み出すと家には、私たち夫婦だけになる。妻は既に地域に根ざした友人、知人の交流ネットワークを築いている。一方、旦那は会社から糸を解き放された凧になっている。住んでいる地域にすぐになじめない旦那たちは、外に居場所を求め始める。
何をするにしても妻を味方にしないと老後の生活は楽しくない!
定年後に本当の夫婦の姿が現れる。亭主関白で我儘な夫であると定年離婚の危機に出くわす。いつも奥さんを気遣っている夫であれば、夫婦関係に問題はない。会社勤めを辞めた夫はタマゴを産めなくなった鶏に近い。毎日自宅にいて夫の世話をしなくてはならない生活は今までの生活を大きく変えてしまう。
自宅はすでに妻に占領されている。その場所を夫が侵入してきて今まで以上の負担を妻に与えるとストレスが生まれる。それに気づかない夫は妻との関係を悪くさせる基盤を作る。それではどうしたら良いのか?
夫は妻の家庭での負担を理解して軽くして上げる
妻にとって旦那の食事を作るのは負担が多い。 会社勤めの頃は、昼と夜に自宅で食事をしない時が多かったのでその負担がもろに妻に降ってくる。日中の夫の世話も増える。自分のプライベート時間もなくなる。近所の奥様方とのランチ会も出来ない。どこへ行くにも夫がついてくる。
妻の負担が増える
①定年退職後は毎日三度の飯を旦那のために作ることになる。会社勤めの時以上に食事のお世話が増える。旦那は、この事実に気がついていない。私を含めて自動的に妻が食事を用意するというのが当たり前でその苦労に気がついていない。
②毎日自宅に旦那がいるようになると妻の自由時間が制約され始める。これは見えない負担となって妻にのし掛かる。近所の奥さんたちとのおしゃべりランチ会にも参加が出来なくなる。妻の活動が自宅にいる夫の存在で制約される。それが妻への負担になる。
定年退職後の余生は長い。夫婦二人で生活する新しい仕組みを作り出さないといつしか負担が両方に累積してくる。一番良いのは旦那が外に仕事場を見つけることである。そして、退職前と同じような生活を維持できれば良い。とは言え、70歳を越えればそれも出来なくなる。元の木阿弥で自宅で時間を過ごす日々が続く。
夫は妻のために何をすべきか?
①妻を喜ばすには日々のストレスを解放してあげること。1週間に1度ぐらい夫婦で外食を楽しむ。月1回ぐらい一泊二日のドライブ旅行に連れて行く。これをやる、やらないで夫婦間の摩擦がなくなる。奥さんにとって外食や旅行は旦那のお世話をする負担を無くす。美味しい料理を楽しめる。自宅を離れて非日常的な風景を旅行で楽しめる。お金はかかるが、それが出来るような生活スタイルを作り上げる事である。
②妻に代わって旦那が家事の一部をしてあげる。皿洗いは旦那がやる。風呂掃除も旦那がやる。しっかりした自宅の掃除も週一度は旦那がやる。妻が喜ぶことを見つけてやってあげる。妻の負担を少なくする雑務をやってあげる。
③自分の居場所を外に見つける努力をする。パートやアルバイトが見つかれば、それをやる。お金の問題ではなく、お互いの空気をいつもフレッシュにする仕事を外に見つけることが一番良い。
④定期的にスポーツジムに通い、妻に自由な時間を作る。夫は筋力作りで1時間ぐらい運動をしてその後はカフェで1時間ぐらいのんびりする。それだけで2時間ほど妻に自由時間を与えられる。つまり、夫は平日の日中は外で時間を潰す生活を維持できないと妻の負担を増やす。
将来、妻の身に起きる経済的不安を取り除く
寿命は妻のほうが長い。夫が他界すると妻には国民年金と遺族年金しか収入が入ってこない。それだけでは足りないので夫が生きているうちに夫の金融資産をすこしづつ妻の銀行口座に移し続ける。注意することは年間110万円が限度になること。その金額を超えると贈与税が発生する。
夫の他界で残された妻は年金と金融資産しか残らない。夫が他界した時に発生する相続税をなくす金額まで生前贈与をすることである。そのような心遣いが妻に対しプラスに働く。私は妻に生活費を毎月与えているが、今までの生活費+10万円ぐらい上乗せをしている。妻はその10万円を自分の貯蓄として貯めている。
老後は仲の良い夫婦である方が幸せである。当たり前なことだが、会社時代の生活をそのまま維持しながら老後の生活は出来ない。定年退職後は妻への負担が想像以上に生まれると言うことを旦那は理解する必要がある。
結論
今まで自分をサポートしてくれてきた妻に感謝の気持ちを表現する意味合いで週一度ぐらいは外食に連れ出す。月一度ぐらいは一泊二日の小旅行を企画する。これをやる、やらないで相当の違いが生まれる。お互いが今まで以上に深く心が通じ合える機会を新婚に戻った感じて作る。
妻の時間を奪わない生活を心がける。平日の日中は外出し妻に自由な時間を与える。会社時代と同じような生活パターンを維持できれば、妻の負担は増えない。それを維持できる自分の生活パターンを見つける。